朝礼ネタ:「おざなり」と「なおざり」の違い
意味も文字列も似ている言葉「おざなり」と「なおざり」は、どちらを使えばいいかわからなくなることがよくあります。
その場しのぎにいい加減な言動をする「おざなり」は、あの手この手を使い、その場をやり過ごす行動を起こします。
一方、いい加減にして放っておく、心に留めない「なおざり」は、物事を頭の隅に追いやって忘れてしまい、行動を起こしません。
このように、「おざなり」と「なおざり」には、「行動するか、しないか」という決定的な違いがあります。
江戸時代の終わり頃から使われ始めた「おざなり」は、「御座敷の形(なり)」という言葉が起源です。宴会の席や御座敷などで芸を披露する人が、その場その場で適当に芸や合いの手を入れるさまを表している言葉です。
平安時代まで遡る「なおざり」の起源の1つに、「なほ(直・猶)+さり(去り)が組み合わさってできた言葉」という説があります。
「何もしない」「以前のままの状態」という意味の「なほ」と、「遠ざける」という意味の「さり」で、「そのままの状態で放置する」という意味合いで使われていました。
「いい加減にする」という2つの意味のうち、いい加減に行動する「おざなり」と、いい加減に放置する「なおざり」の違いがあり、間違わないように使い分けたいものです。