朝礼ネタ:適切な傷の処置の仕方
ちょっと油断すると、切り傷や擦り傷を作ってしまうことは、誰にでも起こるでしょう。そんなとき、多くの人が消毒薬で消毒したあと、絆創膏を貼っているはずですが、最近では「消毒薬を使わないほうが早く治る」と言われています。
消毒薬で消毒してしまうと、傷の細菌を殺菌するだけではなく、正常な細胞も破壊してしまいます。
水道水でよく洗い流した傷口に柔らかいガーゼなどの布を当て、強めに圧迫して止血します。指先は心臓より高い位置で止血しましょう。
10分ほど経って出血が止まっていたら、多めのワセリンを塗ったあとラップで覆い、サージカルテープで止め、傷が治るまで毎日この作業を繰り返しましょう。
傷口から絶えずあふれ出ている液体“滲出液”(しんしゅつえき)は、皮膚を保護し、傷の修復を手助けしてくれます。
消毒薬を使わず、傷口を乾かさず密封させて治す、「モイストヒーリング」という湿潤療法は細胞が滲出液の中で活発に働き、傷が早く治ります。
感染症の疑いがある傷には、消毒薬は使ったほうがいい場合もあります。
素人が判断するのはとても難しいですが、傷口周辺が赤くなっていたり、腫れたりしていると、何らかの異常をきたしている可能性があるでしょう。
動物に嚙まれたり、傷の範囲が広かったり、砂利がついたりしていたら、医師の診断を仰ぎましょう。
傷を治すうえで大切なことは傷を乾かさないことです。
楽に湿潤療法ができる、キズパワーパッドなどのハイドロコロイド絆創膏が市販されており、常備しておくと安心でしょう。